√yūto #07 宿命 / Psychopath -前篇-

-数ヶ月後-


迷子の迷子の仔猫ちゃん~

あなたのお家は何処ですか~♪


って誰も判る訳ねーだろ。

そしてボクも今、迷子です(=・ェ・=;)ゞ



眞白さんは眼鏡を外すと目が見えなくなる
そしてボクの心も見えなくなる


少なからずボクだって多感な年頃
あんな事こんな事されてショックじゃない訳がない


でもほんのちょっとの時間をガマンすれば
眞白さんはまたいつも通りボクに優しくしてくれる



だがソレにも正直疲れてしまい、

またこうしてホテルから学校への通学を始めた。


何だかんだ言って、一番落ち着くのは学校の中だ。

勉強以外考える必要は何もない

そして適当にヒトをあしらえば

益々居心地もよくなるって事も知った。


ソレにやっと気づいたのに
あと1年卒業なんて…(泣)



"前の席"の、前野くん


バスケ部の副キャプテンで、

爽やかなルックスからソレなりにモテている一方

"歩くワイドショー"の肩書きを持つ

噂話が大好きな"オバタリアン系男子"


無論、ボクが財閥社長の息子という事もバレている

パパラッチにしては珍しく

(現在の段階では)その件を内密にしてくれており

隔てない所か、容赦なくボクに絡んでくる唯一の友だちである。


あ、言い忘れた。

ついでにエロい(¬_¬ #)



前野:「陸咲、お前最近急に背ぇ伸びたなー?」


友人:『ハハッそうかな? 取り敢えずもうチビではないケドね。』



確かに眞白さんと暮らしている間に、随分身体が成長した。

まるで止まった時計が動いたかの様だった。


そしてまだ背骨が痛い。。。



前野:「ウチのクラス、新任だってよ。お前知ってた?」


友人:『え?知らない。新任って普通新入生の担当じゃないの?』



ガララララ…



ボクは目を疑った。

そしてボクは、新たな運命の始まりを目の中りにする。



「今日から3Aの担任を務める事になりました、

  新任の…

早乙女眞白です。

皆さんとは、あと1年になりますが何卒よろしく。」



女子たちの黄色い声に埋もれながらボクは呼吸を荒げていた

このヒトパパおんなじボクを意地でも逃さない

"エゴイスト"だ。


出席で名前が呼ばれていく。

嬉々とした顔でボクの順番まで呼び上げていく。



「陸咲友人君。」



…いいえ…



「おや?陸咲君、新学期早々ボーっとしてダメじゃないか(笑)
 では改めて、陸咲友人君。」


『はい…』





-昼休み-



前野:「陸咲、お前何か今日変だぞ?いつも凛としてるっつーか
    クールな陸咲財閥の御曹司様って感じなのに(笑)」


友人:『その話は出すなって。ボクはただ…遠い親戚なだけ。』


前野:「ソレより新任のイケメン教師、すげー頭いいらしいぜ?
    自分から3年の担任を志望してOKもらえるぐらいだからさ。」



そう、本当に天才だ。まるで人間計算機
こーなる様に彼は計算していたんだ。
そして何よりボクが一番良く知っている。
ソレはボクのためでも誰のためでもなく
ただ彼自身の欲望のための計算だったと。





-放課後-



理事長:「どうだ早乙女君、生徒たちの感想は?」


眞白:「ええ。とても良い生徒ばかりで安心していた所です。
    唯、一人だけ少し気になる生徒が居まして…」


理事長:「あぁ陸咲か。あの生徒は心配せんでもいい。
     余り大きな声では言えない話なのだが、
     担任かつ首席で卒業した早乙女君にだけは話しておこう。
     彼はこのまま大学への進学も手配済みだ。放っておけ。」


眞白:「あの子も可哀相な立場ですよね…。
    ですから率先して彼とは向き合おうと思います。」


理事長:「頼もしいな。君が面倒を見てくれると、
     彼の父も喜ぶだろう。一応今度紹介しよう。」


眞白:「担任として彼を知る機会を設けてくださるとは…
    この上ない程の喜びです。誠にありがとうございます。」




ヤバいヤバい…

ヤヴァすぎる…。

一先ずホテルを変えなきゃ…

きっと既にバレちゃってる…。


でも未成年のボクが簡単に泊まれるホテルは、

陸咲グループ系列しかない。

ソレじゃ何処に居ても直ぐに判ってしまう


困ったなぁ。。。



「おい!当て馬2号!」


聞き覚えのある憎ったらしい声がして振り向くと…



『灰混…兄さん…?
 え、、何でこんな街ん中に!?』



屋敷を追い出されて真っ先に浮かんだのは兄さんだった

でも、ボクはずっと兄さんに合わす顔がなく

兄さんからのメールも電話も無視していた

(や、扱き使われるのがヤだったからとかは決して…;)



「ったく…コレでも心配てたんだぞ、どチビ。
 って、あんりゃぁ…ビックリだわ。
 暫く見ない間にお前、おっきくなったな?ヨシヨシ」



あんたももうすっかり、

"お兄さん×"→"おじさん◎"だな。



『ゴメンなさい…。本当に色々と謝りたかったのに…
 本当にゴメンなさい…。』



ボクが知っている兄さんは、

常にゴッテゴテの"歩くブランド"だった。


でも今ボクの目の前にいる兄さんは

普通のスーツを身に纏い心なしか顔にも苦労を感じた



「まさかこのオレがお前を見上げる日が来るとは…
 どーせ暇してんだろ? 奢るからどっか店入ろうぜ?
 オレもさっき仕事終わって一息吐きてぇからさ。」



仕事…? でも兄さんは大学に入った筈…。

でも何だか懐かしいな。そんでちょっと、照れくさい



『兄さん、ココはその。。。』


地下へ向かう階段の奥には明らかに変なムードが漂う。

疚しかばい…じゃなくて妖艶な雰囲気



『兄さん…変な事は教えないでくださいますか…』


あんたと今さっき逃げてきたオトコでもう充分に懲りている。



「おっ!お前も遂に色気づいたか?高校生~♪
 ってバカか。誰が哀しくて男と…
 しかもあくまでも兄弟で。。。
 飲み屋だよ!唯のバー!!」



やっぱ、普通はそうっすよね…┐( ̄∀ ̄;)┌



間接照明の薄暗い落ち着いた空間で、
色んなオトナたちがお酒を交わしていた。


椅子に座らされ毒々しい色の液体が置かれた



『あっ、、そっか…
 兄さん、誕生日おめでとうございます。
 でも、ボクはまだ未成年なので。ドゾ…。』


気怠そうにタバコに火を点け口に含み、

ボクに煙を吹きかけたあと兄さんが話し始めた


「あれから結局父さんに全部奪われちまった。


 でも残ってくれた華芽派の社員が居てな? 
 今、母さんが一応代表になって会社を再建してんだ。


 死ぬまで苦労しねぇ程の金をもらったけどよ、
 どーも何か悔しいっつーか気に喰わなくてさ。

 オレのこの姿見てお前も薄々勘付いてると思うけど、
 大学辞めて母さんの足になって働いてる。


 判子押すぐらいしか母さんに仕事出来る訳ねーじゃん?
 んまぁ…柄にもなく親孝行っつーか…

 元々経営統合のために父さんが母さんと結婚して、
 ソレに揉めた挙句が人質みてぇにオレの親権奪われたって訳。

 爺さんが男産めば良かったのによ…ってしゃーねー話だが。

 でも気にすんな。オレらなりに楽しくやってる。


  悪りぃ、お前ん事もソレで
  昔は正直面白くなくてよー;

  なのにゴメンな?
  余計な事で色々迷惑掛けちまって…。」



兄さんは汚れてなんかいなかったんだ。

しかも今は誰よりもキラキラしている



『本当にすみません…
 大変な時期もボクは兄さんに何も出来ませんでした。
 ソレなのに…ボクまで救われる言葉まで頂いちゃって…。』


泣きそうだった。

視界がもう揺らいでいて、瞬きしたらもう…。



「図体デカくなっただけで、お前ちっとも変わんねーな(笑)
 

 そもそもお前から聴いてきたろ? ほら、あの日。
 "ずっと兄弟で居てくれますか~(泣)"って(笑)

 

 オレの返事も変わんねーよ。
 

 足掻いた所でこうしてまた逢っちまうって事は、
 何よりも兄弟である証拠だ。」



兄さんはやっぱり強い。

でもボクはきっと兄さんみたいには成れない


『またお逢い出来て、そして話せて良かったです。
 兄さんたちの会社が軌道に乗る事を願ってます。
 

 絶対パパには邪魔をさせません。
 ボクが何とかしてみせます。
 

 今度はボクの兄さんへの"借り"を返します。』



移ろげな眼でグラスを眺めつつ、

儚げに笑いながら兄さんは頷いた。



「友人、あんなつまんねー大人共に成るなよ?
 
 今は勿論オレも大人を恨んでいる。
 でもその内オレも同じつまんねー大人になる。
 
 お前がもし逃げるっつーのを悪く思ってんなら、
 ソレは違うとオレは思う。
 敢て逃げんならお前の脚にどっかで付いた鎖だ。
 

 オレに立派な事抜かす様になったっつー事は、
 お前も大人たちに汚されてしまったって事だな…すまん。
 ありがとよ、気持ちだけ受け取っておく。
 

 だが約束してくれ、バカな真似だけは絶対にするな?」




あの場で兄さん甘えていたら、絶対後悔すると思った。


重い鎖にずっと一緒に繋がれていた弟として、

鎖が外れた兄さんには幸せになってもらいたい。

幸せにならなきゃダメなんだ


本当にうれしかったです。

ですが申し訳ありません、
帰り際の兄さんとの約束はボクには出来ません

汚されるのはボクだけでもう充分だからです。
何故ならボクの存在は最初から汚れているんです


神様、どうか兄さんには"メシア"の御加護を


引き換えにボクは、

"疫病神"としての使命を全う致します。



ブルルルッ…

 あ゙~今回一番の見せ場に電話とか誰だよ!?

#  -=・=-   -=・=-



"着信: パパ"



神様、実況中継でお楽しみでございますか
早速、魔王サタンからのお呼び出しです…。



\ピッ/

『もしもしサタ…じゃないパパ? はい、友人です。
 大変ご無沙汰して申し訳ございませんでした。』



ぇ…今から我が城へ来いだと??


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